Malifaux3e マスター紹介 ティリ
かつて高い技術文明を誇り、みごとな都市を築いていたアウア族。だが、一族からタイラント「チェルフ」が出現し、一族とその偉大な作品のほとんどすべてが焼き尽くされ、そして長い時が流れた。西の砂漠に逃げ込んだ数少ない生き残りは遊牧民となり、かつての栄光を嘆きながら現在まで隠れ暮らし続けてきた。一方、チェルフはソニアのマスクを経てキッチナー長官と融合、バーニングマンとなり、いままさに衆目を集めている。現在のアウア族を率いているティリは当時幼かったために喪失感は薄く、遊牧民の自由な生活に満足していたが、一族因縁の相手がこうして姿を現している状況で無視することができず、アウア族は表舞台に姿をあらわし、探検家協会に参加することとなった。
ティリたち「BYGONE」のキーワードモデルのスタットカードを見ていくといくつかのアビリティやアクションのトリガーのお尻にある、カタカナの「キ」みたいなシンボルやアスタリクみたいな「*」シンボルの存在に気がつかれると思います。
このシンボルは「キ」は伝統的なスタンス、「*」は革新・技術的なスタンス……と、いうフレーバーでして、バーニングマン登場という時代の変わり目に直面して、今後のアウア族が進むべき2つの可能性を示したものになっています。
プレイヤーは、ティリに限らずBYGONEのモデルを1体でも採用していると「アイディアル(Ideal/理想)」というアップグレードがコスト0で使用可能です。
このアップグレードは両面仕様になっており、表と裏のそれぞれに「キ」の伝統シンボルと「*」の技術シンボルが描かれており、ゲーム開始時にプレイヤーはどちらかの面を表にして配置することでアウア族の未来を表明をするわけです。
「ワタシたちは伝統を重んじて生きていくわ!」みたいな感じね。
そうするとゲーム中、そうして表にしている側のシンボルがついているアビリティやトリガーが有効になる、というワケ。はい、決意表明していないほうのアビリティやトリガーは無効です。書かれているけど使えません。諸行無常。
モデルによってこのシンボルの盛り込まれ具合がちがうのですが、だいたい1つから、多くて3つくらい。まあ、あんまり数が多くてもね、逆に戸惑いますから、ちょっと味変くらいの感じでいい塩梅の調整なんじゃないでしょうか。
例としてトーテムのオロボロを見てみましょう。
こいつの基本スペックはDf4、Wp6、Mv4、Sz2のヘルス4。アーマー+2を持っていて、死亡時にゲーム中1回だけヘルス4で復活します。
「インシフィグニカントないのでスキームランナーに使える!? でもMv4かあ、ちょっと足遅いナァ〜」なんてお悩みのアナタは是非「キ」の伝統サイドをお使いください。なんとMvが+3されて7になり、さらにシビア&ハザーダス無視のSSR(Sクラスのスキームランナー)に!
また、このコはアクションでレンジ8のショックウェーブ攻撃(Mv12で判定、失敗するとダメージ2&Stunned、しかも条件次第で判定のハードルが上がる)というイケてる範囲攻撃を持っているので攻撃役としても重宝したい感じ。
「でもヘルス少なくて敵の前に出しづらいナァ〜」とお悩みのアナタには「*」の技術サイド。謎の技術によりアーマー使用時の最低保証ダメージが0になり、場持ちがよくなるのです。
もうひとつ、コアボックス収録ではなく、同時リリースのボックス「Tenacious Tradition」から、ヘンチマン・アイアンマトロンのカードを見てみましょう。
アクションのトリガーに「キ」や「*」がありますね。
メレー攻撃が3/4/5ダメージ&その場での攻撃だとダメージフリップに+がつくというなかなか強めな攻撃ですが、これが「キ」サイドだと攻撃後に他モデルを無視して5インチプッシュ。通過した敵モデルに1ダメージ、というトリガーが有効になります。
また、レンジ5の範囲で自身を中心にショックウェーブ的な判定を迫り、クリアできないと1ダメージ&引き寄せというアクション。これが「*」サイドならダメージを受けた敵モデルすべてにStaggeredをつけるというトリガーが使用可能です。
トリガーを含めてなかなかいかついアタッカーになりそうなモデル。伝統か、技術か、どちらで運用するか悩ましそう。
さて、トリガーのところをみて勘付いた方も多いかもしれませんが、実はシンボルに対応しているトリガーはすべてトゥームのスートとなっております。
「トゥームを手元に多く持ってないとダメかー、ちょっときびしいなー」
な〜んて、そこをカバーするのがBYGONE共通アビリティの「SCARS OF CHERUFE/チェルフの傷跡」。
もし、このモデルのアクティベーション開始時にシールド+がついている状態ならば、このアクティベーション中すべての判定にトゥームのスートをつけてよい。というもの。
「シールドで守られることでかつての惨劇を思い出して胸を痛めることなく前向きに生きていく」みたいなニュアンスなのでしょうか? ちょっとテキトーに言ってますけど。
あくまでアクティベーション開始時についていることが条件なので、アクティベーション途中からシールドをつけても無効です。シールド+はエンドフェイズに一旦リセットされちゃうので持ち越しは不可。
じゃあシールドをどうやってつけるの? って話になりますが、そこをサポートできるのが我らがリーダー・ティリ様。
ティリはまずアビリティ「ARCANE SHIELD」でスタートフェイズにシールド+2の状態になります。剥がされていなければ彼女はトゥーム使い放題。さらにボーナスアクション「IMPASSIONED DEFENSE/情熱的な守り」でレンジ8以内の味方モデル1体にシールド+2をプレゼント。さらにトリガーでフォーカス+1も与えたり、なにかアクションをひとつさせたり。
これに関連して、ティリのレンジ6以内の味方BYGONEモデルがトゥームのトリガーを使用したとき、カードを1枚ひけるというシナジーもあります。自身も対象なので手札補充のチャンスは多そう。
また、ティリはちょっと変わった効果のトリガーを2つ持っていて、
「OFF THE PATH」というアクションではまずターゲットを選んでから、自分の手札を2枚まで捨てます。1枚捨てた毎に手札を1枚補充&ターゲットを2/3/4インチ(捨てたカードの数値による)移動させることが可能です。ターゲットは敵味方問わないので応用が効きそうですが、このときトゥームの「Mirage」トリガー(キ)を使うと味方モデル限定で次のスタートフェイズまで敵のスキームの対象にならなくする。というもの。
ヴェンデッタとかシークレットミートアップとかちょっとクサい動きの時に相手の思惑を外すことが出来るっぽい。
もひとつがタクティカルアクション「DISTORTION」のトリガー。これはレンジ3以内にスキームマーカーをひとつドロップし、その3インチ以内にいる味方BYGONEモデルはコンシールメントを得るアクションですが、「Remake the Old World」(*)トリガーを使うと、次のスタートフェイズまでそのスキームマーカーの3インチ以内のマーカーは敵のスキームの対象にならなくなります。リーブユアマークやらローデムアップなどなど多くの得点行動をブロックできそう。うまく活用できたらすっごく気分良さそうですよね。
あともうひとつ、ティリについて大事なことをお伝えしますと、冒頭から未来の選択だ〜やら決意表明だ〜とか言っていたアイディアルアップグレードなんですが、じつはティリ様のアクティベーション開始時にひっくり返すことが可能です。伝統も技術もすべてティリさんの気分次第ってことですね。いやあ、いいフレーバーですねえ。
さすがにティリさんが死んだらもうひっくり返すことはできなくなりますので、サラ・コナーばりに守ってあげてください。
あとはBYGONEモデルを2つばかりご紹介します。
足が早くてDfも高め。メレー攻撃のダメージはそれほど高くないですがトリガーで相手を押し出したり、ダメージ2点のショックウェーブでダメージを受けた相手を好きな方向に3インチ動かしたり、と、相手の陣形を崩したり固めたりするのが得意ぽい。
ケットに限らず、BYGONEモデルはショックウェーブ攻撃やブラスト効果つきのレンジアタック持ちが多いので、フォーメーションを保つことで本領を発揮するジェッザなどのクルーには刺さるクルーかもしれません。ショックウェーブの追加効果も多彩ですしね。
なお、ボーナスアクションでレンジ1以内のスクラップマーカーを除外してレンジ6以内の味方モデルにシールド+を与えることが可能です。
ティリ以外でもシールド付与ができるのはステキですが、さてスクラップマーカーをどうやって捻出したものか…?
こちらは、先ほどのアイアンマトロンと同じボックス収録のパーソン。ここにもシールド付与できるモデルいました。
こいつはスタートフェイズ時にシールド+2を自動でもらえるだけでなく、それを減らすことで6インチ以内の味方BYGONEモデルにシールドを分け与えることが可能。
さらにタクティカルアクションでもレンジ3以内にシールド付与可能ですね。
アビリティでは「*」サイド時に6インチ以内の味方BYGONEモデルが敵の効果によりシールドを減らしたときその周囲1インチの敵モデルすべてに1点の反射ダメージを与えたり、
「キ」サイドのときにこいつの攻撃を受けた敵モデルはチート不可だったり、と守りに攻めに頼もしいアビリティを持っています。ま、どっちかなんですけどね。
こいつのメレー攻撃はダメージが3/4/6とお高め。クロウのトリガーでスクラップマーカーを落とす…!? 先ほどのケットとコンビを組ませてもいい感じですね。
まとめ
伝統か技術か。どちらが攻撃的or守備的みたいな括りはなく、モデルそれぞれの性能になるので2つのサイドどちらを使うかの悩ましさを楽しめそうなクルーだと思います。
モデルの大半にはアーマーがついているのと、特性上シールドも使っていくことになるのでわりと硬めになりそう。ケットのところでちらりと触れましたが範囲攻撃が多く備わってるのもいいですね。デバフつきのショックウェーブとかいい感じに機能しそうです。
あとはティリの持つ、敵のスキーム対象からはずす能力。これも面白そう。
初心者向きと言えるほどイージーではなさそうですが、まあまあ扱いやすいクルーだと思います。見た目に抵抗のないあなたにぜひおすすめのクルーです。
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