Malifaux3e マスター紹介/パンドラ


日は落ちた。夜の帳が下りたマリフォーの街は恐怖に包まれる。人気のなくなった通りを軽やかに歩んでいくひとりの女性の姿。彼女の名はパンドラ。彼女が常に弄び耳を傾けている古びた小箱にはこの世の悪夢が詰まり、彼女が箱を開ける時、悪夢が現実に解き放たれる。美しいその姿とはうらはらに周囲を恐怖に陥れ絶望に駆り立てることに無上の歓びを感じる女。ネバーボーンですら恐れる彼女の行く先は…。

パンドラおよび彼女のキーワード「WOE」はコントロール系のクルーです。
彼女たちを特徴づけているのは『Opportunist』と『Misery』の2つのアビリティ。
この2つをじゅうぶんに理解して活用することが求められます。

『Opportunist』は敵モデルのコンディションに対応して使用できるスキルで、対応しているのはstunned(トリガー宣言不可、ボーナスアクションが通常扱いになる)コンディション、それに加えてモデルによりslowやfastなどなんらかのコンディションも対象になります。
敵モデルとのあいだで判定をする時、相手にstunnedまたは対象のコンディションがついているならば、それを消すことでこちらの判定にプラス修正をつけることができます。
stunnedやslowは各モデルのアクションで相手につけていくことができるので使用の機会は多そうです。
パンドラはこのスキルがかなりの強化版になっていて相手のどんなコンディションでもひとつ消して自分にプラス修正が可能です。shieldやfocusなどのバフ系コンディションでもひとつ消したうえでこちらにプラスがつくのはイヤらしい感じでステキです。

『Misery』アビリティは、アクティベーションにつき1回、6インチ以内の敵モデルにstunnedもしくは自身のOpportunistに対応するコンディションがついた時に、2インチまでの移動もしくは1ダメージを与えるというもの。効果を選択できるのがミソです。
残念ながら、1度のタイミングに於いてMiseryの効果は重複しないため、Misery持ち複数で囲んでいたとしても1体に与える効果は1つだけになりますが、自身のアクティベーション以外でも発動するため、ほかのモデルのアクティベーション中でも発動する機会を見逃さないようにしましょう。

stunnedをつける補助としてパンドラのボーナスアクション「The Box Opens」があります。
成功すると6インチ以内の敵モデルにTN(目標値)14のWp判定を迫ります。パスできなければ2ダメージとstunnedをつけます。

戦闘面では、エンフォーサーのベビーケイドがメレー攻撃で2/3/4にトリガー次第で、+1ダメージ、別の味方モデルから攻撃、カードかソウルストーンを捨てさせて出来なければ即死、のどれか。Manipulative(アクティベート前であれば相手の判定にマイナス修正をつける)持ちでヘルスが7。さらにルアー持ち、と優秀です。
敵モデルがアクティベーション外で移動しベビーケイドとエンゲージ状態になると自分にFastがつくスキルがあり、ルアーとシナジーがあります。
なお、ベビーケイドが編成されているとき、同じネバーボーンのエンフォーサー・テディを1コスト安く(10コスト)で組み込むことが出来ます。その場合、テディはベビーケイドの3インチ以内に配置してスタートする縛りがあります。ベビーケイドはボーナスアクションの「Where's Teddy?」で10インチ以内の味方モデルを自分に向かって移動させることができます。このとき、対象がテディであり、ベビーケイドとベースコンタクト(くっついた状態)で移動を終えるとお互いの体力を2点回復しさらにベースコンタクトの状態でプレイスができる、という能力になっており、状況次第でいろいろと応用の効く内容になっています。

テディは買い足し要員になりますが、ベビーケイドをタンク役として使うためのシナジーがあり、アタッカー適正(メレーレンジ2、ダメージ3/4/6、手札1枚捨てると連続攻撃)も高く、パンドラクルーにぴったりハマるモデルなのでかなりオススメです。

トーテムのポルターガイストはIncorporeal(被ダメージをマイナス1、ハザーダステレインの影響を受けず、移動時に他モデルをすりぬける)持ちですがヘルスが5。
しかし、ポルターガイストには2インチ以内の敵モデルがWp判定を行うときにマイナス修正を与える効果と、6インチ以内の敵モデルは「Ruthless(テリファイ&マニピュレーティブ無視)」の効果がなくなる。の、2つの置物効果を持っています。
テレインすり抜け移動で置物効果が刺さりそうな場所に陣取りましょう。

そして、パンドラならではの攻撃アクションが、パンドラとヘンチマンのキャンディが持つ『Self Loathing』アクションです。
Self Loathingはレンジ10のアクションでスタット6、Wp判定の攻撃アクション。成功すると対象敵モデルの持つ「ショックウェーブ以外の攻撃アクション」のどれでもひとつをコピーして攻撃します。特定の条件(ターン1など)やコスト(カードを1枚捨てるなど)、は満たす必要がありますが、能力(アーマー無視など)はそのままです。自害させるイメージでしょうか。この時にこちらがマスクのトリガーをひいていると、相手が出していたカードのスートを参照して、対応するトリガーがあればそれも発動します。
素のパンチ力は低いパンドラ達ですが、相手次第ではいいパンチを打てるかもしれません。

また、パンドラはカードを1枚捨てることで味方WOEモデル(自身も含む)を3インチまでプッシュ、さらにその時に捨てたカードのスートをエンドフェイズまでそのモデルが使えるようにします。クズみたいな手札でも有効に使えるのは非常に便利です。
もうひとつ、パンドラがリーダー時に限り、6インチ以内で敵モデルがアクティベーションをしようとした時、カードかパストークンを捨てることでそのモデルではなく、LoS内のまだアクティベーションしていない敵モデルどれかのアクティベートにすり替えることができます。
たとえば、本当にたとえばの話ですが、狭い通路を1列で進もうとしていたとき、先頭がアクティベーションしようとしたところ、ひとつ後ろのモデルのアクティベーションにすり替えられたとしたら…? あれは泣きました。あくまで例えばの話です。
正直、毎回必ず出番がある能力ではないですが、たまーにメチャメチャにひかりかがやく能力なのでぜひ意識しておいてほしいです。


パンドラたちは、基本的にstunnedやslowで相手のパフォーマンスを全体的に下げてこちらのプラスを積み重ねていくクルーになります。
Miseryで相手を動かすことで計算を狂わせたりするのも重要だったりします。
派手さはなく、敵モデルとの位置どりが重要など、初心者には勧めづらいですが、きれいなお姉さんがすきなあなたにはオススメのクルーです。




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