マリフォー3e マスター紹介/イングリッシュ・イワン
探検家協会にイングリッシュ・イワンというふざけた名を名乗る男がいる。かつてはM&SUの組合員であったりギルドの職員として目撃されていたが、無論それは仮の姿。彼は潜入工作を得意とする腕利きの諜報員であり、いま探検家協会に席を連ねている理由も量りかねる。かのような生業の者にとって世界は「ほどよく混沌」であることが望ましい。イワンは諜報員として非常に優秀であったが、世界を動かすほどの非凡な能力を持つ者がありふれたこの街で彼は、自身の凡庸さに苦痛さえ感じていた。だがある日、彼は仕事の際に闇のアーティファクトを手にする機会を得る。これがいかに危険な品であるか、それがわからない彼ではなかったが、能力を手にする魅力に抗えず、彼はアーティファクトに身を委ねてしまう。刹那彼はこの世から消え失せ、そして念願の闇の能力を手に入れて戻ってきた。それは一瞬の出来事にも思われたが、おそらくは命懸けでの生還劇であったにちがいない。イワンは平常を装っているが、彼の半身は闇の世界に囚われたままなのである。
スタイリッシュなルックスが目を惹くイングリッシュ・イワン。
相手に対していやらしくプレッシャーをかけていくタイプのクルーで、わりと運用がややこしいのですが、ざっくり紹介すると、
・コレット涙目! マイナス修正をプラスに変換!
・計画的な運用が勝利をよぶ! シャドウマーカー!
・まとわりつく影! 召喚もできるぞUMBRAモデル!
…といった感じになります。もちろんこのあと詳しく紹介していきます。
まず、彼は2系統のキーワードを持っていて、
スパイ/工作員的なモデルが集う「DUA」と闇の世界のモデル「UMBRA」の2つになります。
どちらのキーワードもイワンクルーのユニークマーカー「シャドウマーカー」に関連した能力を持っている点が共通しています。
シャドウマーカーについて。
これは30mmサイズ、破壊可能、およびコンシーリング(メレー以外の攻撃アクションにマイナス修正がつく)属性を持っています。
イングリッシュ・イワンやヘンチマンのギブソン・デウォルトがアクションにより能動的に出すことができたり、ほかのDUA/UMBRAモデルはアクションのトリガーによって出すことができたり、生み出すのはまあまあ簡単そうです。
もちろん、コンシーリング属性があるので敵モデルとのあいだに設置することで敵のレンジ攻撃に対して防御力を高めることができます。
また、DUAモデルは共通アビリティ「UNGENTLEMANLY AFFAIRS/非紳士的行為」により、「コンシールメント、Distracted、フレンドリーファイア」の3つに限り、本来は判定にマイナス修正がつくところがプラス修正になりますので、敵とのあいだに設置すれば射撃戦においては一方的に有利な状況を作れることになります。
余談ですが、この能力は防御スキルがDistracted頼りのモデル、特にコレットクルーには刺さりすぎて鼻血が出そうな勢い。
また、UMBRAモデルは共通アビリティ「BORN OF SHADOW/生まれついての影」により自身の周囲1インチ以内はコンシールメント扱いになるので、味方のUMBRAモデルが敵モデルにくっついている時に射撃を打ち込むと、コンシールメントおよびフレンドリーファイアの両方が反転してプラス修正2枚になると思われます。こわいですねこわいですね。
で、このシャドウマーカーの使用法はこれだけにとどまらず、たとえばイワンは、敵の攻撃でダメージを受けるときに2インチ以内にシャドウマーカーがあればそれを取り除くことでダメージを0にすることができたり、行動終了時に6インチ以内にスキームマーカー(敵味方問わず)もしくはシャドウマーカーがあればそれを取り除いてもう一方のマーカー(スキーム⇄シャドウ)に置き換えることができます。小技ですが使い勝手のよいアビリティ。
先ほどのUNGENTLEMANLY AFFAIRSにより貯めたプラス修正をこれに変換することになるでしょう。
トリガーが、クロウ1つで、敵モデルがコンシールメント状態もしくは近くにシャドウマーカーがあればダメージ+1&Staggerd(Mvが−2&味方の能力で移動不可)。
クロウ2つで敵モデルのWp+2までのコストのUMBRAモデルを召喚。
というものになっています。
さらにこの方法で召喚したUMBRAモデルには独自のアップグレード「LIVING SHADOW/生ける影」が装着され、死亡時にシャドウマーカーを出したり、移動時にヘルスを2減らすことでシャドウマーカーを出したり、とシャドウマーカーの生産性がアップします。
ある程度の仕込みが必要そう&手順がややこしいので大変ですが、UMBRAモデルを召喚する唯一の方法でもあるので、スムーズにやれるよう素振りしていきましょう。
もうひとつ持っている攻撃が、レンジ10でシャドウマーカーを設置して、ついでにショックウェーブ攻撃(目標値がMv13でダメージ2)。トリガー次第でもう一個設置したり、手札を補充したり。マーカー設置が本線でダメージはオマケですね。
あとは10インチ以内のシャドウマーカーもしくはUMBRAモデルひとつを対象にして他モデルをすり抜けて6インチプッシュさせることが可能。通過されたモデルは目標値13のMv判定で失敗するとDistractedがつきます。これもよく使いそう。
そしてボーナスアクション「SHADE STEP/陰渡り」で、6インチ以内のコンシーリングテレインにワープすることが可能。ついでにトリガーでシャドウマーカーも出します。シャドウマーカーやUMBRAモデルの周囲1インチもコンシーリングテレイン扱いのため、ワープ先を見つけるのはわりと簡単そう。
敵からの脱出はもちろん、イワンはMv4とかなり足が遅いので普段の移動手段としても使っていく感じですね。
これは距離やLoS関係なく発動するもので、基本的にはイワンが受けるバーニングやらポイズンやらのバッドステータスをモルドレイクに飛ばすことになるでしょうか。
モルドレイクはキルされても死亡時効果により、イワンのそばに復活が可能です。そのたびにイワンは2点のダメージを受けますが、ターン1などの制限がないため何度でも甦ります。
Mvは本体同様に4しかありませんが、SHADE STEPを持っていたり、インシフィグニカントも無く、イワンのそばに復活するというのも含めて、おもしろい使い方ができそうな気がします。
ミニオンのディーバはコアボックスに収録されているUMBRAモデル。
こいつもMv4。影の住人はみんな足が遅いのか。
アビリティにより、
・ディーバがベースコンタクトしているモデルはDfが−1されます。
・ディーバがプレイスされた時、ただちに1回メレー攻撃ができます。
・ディーバがベースコンタクトしていた敵モデルが移動するとき、目標値12でMv判定をしてパスできなければその敵モデルの移動後にベースコンタクトするようにプレイス移動します。
…ということで、イワンが召喚に成功したところでまず1パンチ、なんらかの方法で逃げられてもMv判定に失敗したら1パンチ、という動きをするモデルです。
その際、トリガーによってはシャドウマーカーを設置したりも。
また、このモデルは6インチ以内の他モデルのアクションをそのトリガー含めてコピーする「MIMIC」を持っているのでいろんな動きができる可能性があります。おまけに、トリガーでアクションをコピーしたモデルにベースコンタクトでプレイスすることが可能。ということは強い攻撃をコピーした状態で即攻撃しちゃったりなんかも。
うまく活用してやってください。
ヘンチマンのギブソン・デウォルトはサポート系のヘンチマン。
アビリティ「BLINDED BY THE LIGHT/目くらまし」は周囲6インチ以内の敵モデルが攻撃された時、そのモデルにDistractedがついていれば、それを取り除くかわりに防御判定にマイナス修正を押し付ける、という置き物効果。本来、そのモデルの攻撃時にしか働かないマイナス効果を防御時に与えるよってことです。
Distracted付与はイワンが可能ですし、ギブソン自身もDistracted+2を付与できるショックウェーブ(←しかも範囲が2と広い)を持っています。しかもトリガーにより、判定に失敗してDistractedがついた敵モデルは、同じショックウェーブの範囲内にいる味方UMBRAモデルからレンジ無視で殴られる、というお膳立てバッチリ加減。
ギブソンはほかにも、味方UMBRAモデルをヘルス2点回復や、アクティベーション開始時に山札の上1枚を回収&手札を1枚捨てることで捨てたカードのスートをエンドフェイズまで有効にする、といった能力を持っています。
ムチを持ったすがたがカッコいいのはエンフォーサーのエヴァ・ヘイブンハンド。
イワンの同僚でしょうか。
彼女は相手にとってイヤらしいタイプのモデルで、敵モデルが彼女を攻撃をする時、相手は手札を1枚捨てないかぎり判定にマイナス修正がつきます。
また、彼女の攻撃が成功して敵モデルにダメージを与える場合、手札を1枚捨てるか3インチ移動させられる、のどちらかを迫ります。トリガーによってはブラスト効果もつくため複数の敵モデルでその選択をすることになってしまうかも。こわいですねこわいですね。
ボーナスアクションの「LOCK AWAY/封じ込め」は、2インチ以内のマーカーひとつを対象にするアクションで、エンドフェイズ時までそのマーカーの周囲2インチでは敵モデルはウォークかディスエンゲージ以外のアクションができなくなる、という効果。シャドウマーカーに限らずスキームマーカーやパイロマーカー等々なんでも対象になるため、思わぬ被害を受けることになるクルーもいそうです。
もうひとつ、このモデルで魅力的なのが「SECRET PASSAGE/隠し通路」アクション。自身がブロッキングテレインの1インチ以内にいるとき、12インチ以内の別のブロッキングテレインのそばにワープすることが可能です。ターン1などの制限なし。ターゲットも取らないのでかなりフリーダムな使い方ができそうで夢が膨らみます。
まとめ
戦闘でのアドバンテージはとりやすいため、戦闘に重きを置くこともできますが、状況がハマらないとダメージはそこまで高くないかも。ばらまいたシャドウマーカーやUMBRAモデルをまとわりつかせて相手を手間取らせ、その隙をついてイワンのマーカー置き換え能力やエヴァの機動力を活かして点をとっていく…そんな動きが出来ると理想的でしょうか。
自分のモデルの動きからしてややこしめ、盤面も目を配るところが多いため、ムダのない動きをしようとするとかなり苦しくなってしまうと思いますので、まずは勝敗にこだわらず、気楽にプレイしてひとつずつステップアップしていくのを楽しんでほしいです。
ネガティブな感じになってしまいましたが、Malifauxらしい悩ましさを味わえるクルーであるのは間違いありません。
スパイ活動にあこがれているあなたにオススメのクルーです。
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