Malifaux3e マスター紹介/ルシウス


マリフォー議会の事務総長に就任したルシウス・グスタビウス・フィッツウィリアム・マッテソン。仮面で素顔を隠した男がどうやってここまで上り詰めたのか、それを知る「人間」はいません。ネバーボーンである彼の声は高級なコニャックのように滑らかで心地よく、聞く者の心をやさしく撫であげてあやつります。ギルド内部に侵食してコントロールすることがルシウスの目的であり着実に成果を重ねてきました。前ギルド長官・キッチナーが起こした騒動と彼の顛末もルシウスの思惑通り。とはいえ、騒動の結果、新たなタイラント「バーニングマン」が誕生したことは想定外でした。マリフォーの空を漂うバーニングマンの姿を執務室の窓越しに見つめるルシウス。「彼」は何を想うのでしょうか。

ルシウスはギルドとネバーボーンのダブルファクション。
キーワードも2つ持っていて、ギルドとしての「ELITE」、ネバーボーンとしての「MIMIC」を持っています。
どちらのキーワードモデルも「Following Orders」アビリティを共通して持っています。
効果は「ターンに1回、自分よりコストが高いモデルが発した効果により何らかのアクションを実行したらカードを1枚引く」というもの。
まず思いつくのはオベイ(他モデルをあやつる)系のアクションを受けた場合ですが、ほかにも、アクションのトリガーなどで「付近に味方モデルがいればメレー攻撃をさせる」といった効果でも有効です。使える場面を見逃さないようにしたいです。

マスターのルシウスは、強いていえばコントロール寄りの性質でしょうか。
Wp(精神力)が7と高めな以外はステータスや攻撃ダメージは平凡的な数値です。いえ、もしかしたら平凡を装うことで私たちプレイヤーですら欺こうとしているのかもしれません。アビリティやアクションのほうは隠しきれずにかなりレアめのものが揃っています。
まずは、手札上限が1枚増えるアビリティ「Arcane Reservoir」。単純につよい。
そして、敵からの攻撃に対して常にマイナス修正を与える「Serene Countenance」
自分か相手プレイヤーを問わず、パストークンを使用して手番がパスされるとカードを1枚引ける「Mastermind」
ルシウスの6インチ以内で敵スキームマーカーが撒かれた時、手札を1枚捨てることで味方スキームマーカーにすり替える「Subterfuge」
ルシウスがWalkアクションをしたら6インチ以内の味方モデルを2インチすきな方向にムーブさせる「Entourage」。コストがないうえ回数制限ないのは使いやすい。
ボーナスアクション「Misinformation」は、敵の手札を公開させてそのうち2枚までをこちらが選んで捨てます。捨てた枚数と同じだけ補充は入りますが捨てたカード以上のものを引けるとは限りませんし、なにより相手の手札を見ること自体が結構なアドバンテージになります。
ルシウスのレンジ攻撃は、デフォルトでカバー無視がついていて、フィールド上(どこでも!)の任意の味方MIMICまたはELITEモデルからLoSと射程を引くことができます。
また、対象が味方ミニオン、MIMICモデル、ELITEモデルに限りますがボーナス以外のアクションを1つさせることも可能です。
便利能力がパンパンに詰まっていて逆に特徴がよくわからなくなってしまう…、そんなルシウスさんです。

ヘンチマンのエージェント46も注目です。
彼は戦闘タイプのヘンチマンで、テリファイ無視とマニピュレーティブ無視を持っています。さらにはアクションにより相手の持つアーマーやシールドをエンドフェイズまで無効にすることが可能です。汎用的な防御スキルの殆どを無視できるのは脅威的。
また、現時点でエージェント46だけのユニークアビリティ「Inhuman Physiology」により、エージェント46からの攻撃に対して敵モデルは一切のチート行為ができません。
さらに、メレー攻撃のトリガーによりますがDemise(死亡時効果)無視を持っているのもいい感じです。「死亡時効果により死なない」系のモデルに対処できる手段があるのは心強いです。
反面、防御面はステルス(6インチ以上離れたところからのレンジ攻撃を受け付けない)しか所持していないため、あまり場持ちは考えず、厄介な対象を確実に落とすのが役割の暗殺タイプでしょうか。ほかのマスターのところに出張させてもいい仕事しそうです。

エージェント46については、ボーナスアクションの「MIMIC」(名前がややこしいですが…)も注目です。このアクションは6インチ以内のモデル(マスター以外)の持つ「ボーナス以外のアクション」をコピーして、エンドフェイズまで自分のスタットカードに書き加えます。コピーしたアクションは能力やトリガーを含めてコピーされますが、スタットについては自身のスタット(エージェント46の場合は6)が使用されます 。場合によってはコピー元よりも当てやすいことになるかもしれません。
「エンドフェイズまでコピーが有効」というのも特徴で、エージェント46がそのターンにコピーしていたアクションは他のモデルのオベイや類似の能力により使用が可能です。

このMIMICアクションは、MIMICエンフォーサーのドッペルゲンガーも所持しています。
ドッペルゲンガーの場合はスタットが7で使用可能なのでエージェント46よりもさらに適正が高く設定されています。ドッペルゲンガーはほかにもルアー(引き寄せ)を持っていたり、スキームマーカーを撒きやすいアビリティを持っていたり、ルシウスのコアボックスでは欠けている能力を備えています。
なにより、しっとりとしたセクシーなルックスで思春期のプレイヤー相手に精神的なゆさぶりが可能。追加戦力としてオススメしたいです。


コアボックスに入っているミニオンはELITEモデルのギルドロウヤーです。
8インチ以内の味方モデルにシールド+2を付与できるのがなかなか良いです。
切れ味だけはするどい紙きれのエージェント46にかけてあげたいところ。
直接的なダメージを与えるアクションはなく、その代わりにオベイを持っています。
また、前述の共通アビリティ「Following Orders」を意識しているのか、「味方モデルから参照された時にコストを+2して扱う」というアビリティを持っています。これによりギルドロウヤーAがギルドロウヤーBをオベイしてアクションをさせた場合、本来は同じコスト同士なのでFollowing Ordersの条件を満たさないのですが、コスト+2とみなされることで条件を満たしてカードを1枚ひけるゾ! ということになります。
ついでに、ギルドロウヤーはアクティベーション開始時に捨て札のトップと手札入れ替え可能なアビリティも持っています。意識しすぎると自らの手を曲げてしまいがちですが、上手に使えると嬉しい能力です。


ルシウスが手札上限アップを持っていること、いろんな場面でカードを補充できることから、手札を潤沢にキープ&その質を武器にして戦っていく…のが基本になると思いますが、わかりやすく用意されているシナジーはそれくらいです。ルシウスのアビリティやエージェント46の殺傷能力は極めて優秀、とはいえ、それを上手に活かせるかはプレイヤー次第。正直なところ初心者にはおすすめしにくいところはありますが、ゲームすべてを見通してコントロールするようなキレッキレのあなたにおすすめのクルーです。




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