Malifaux3e マスター紹介/キャプテン・ジップ


人間たちの世界で放送されている冒険ものがたり。その破天荒な登場人物たちに魅了されてしまったジップは、自分も何かを成したい想いでグレムリンの強盗団を結成、彼の物語をスタートさせました。ある日、ギルドの試作飛行船を盗んだことで彼は一気に自分の理想へと近付きます。空飛ぶ「悪名」号を駆るアイアンスキーター達のリーダー。ジェットパックで飛び回り、光線銃が轟く、その名はキャプテン・ジップ。彼が一番求めている物は金品ではありません、キャプテン・ジップのきらめくような悪行を語り継いでくれる多くの人々なのです。

ジップのコアボックスは機動力のあるモデルで戦場を飛び回る、比較的扱いやすいボックスになっています。

キーワードである「INFAIMOUS」モデルのほとんどが共通して持っている「SHOW BOATING」アビリティ。
これはアクティベート中にチート(手札を使っての判定上書き)をするとアクティベート終了時にカードを1枚引くことができる、というもの。何回チートしても引けるのは1枚、また、敵モデルへの対応では発動しないのは注意ですが、このゲームに於いて手札は友達。安定感をもたらします。

マスターであるジップと、ミニオンのアイアンスキーターは共に飛行モデルで移動の際にほとんどのテレインを飛び越えて移動可能です。しかもアイアンスキーターはMv(移動力)7、ジップはMv8とトップクラスの移動力を誇ります。相手側からすると、一気に距離を詰められたり、逃げられたり、気が抜けないプレイを強いられることに??
しかし、ひとつだけ残念なことに、ジップはインタラクトアクションをすることが出来ません。マスターのモデルとしては珍しいのですが、さすがにスキーム達成要員として便利すぎるゆえの調整と思われます。スキームマーカー撒きはアイアンスキーター達に頑張ってもらいましょう。

インタラクトアクションはできませんが、ジップには代名詞となるユニークなアクションがあります。
それは「DROP THE PIANOS!」。ターン中に1回、ジップから6インチ以内にピアノマーカー(40mmサイズ/高さ3/ブロッキング/通過不可/破壊可能)を落とす(=撒く)ことができます。このアクションにはオプションがあって、手札かパストークンを合計2つまで捨てることで捨てた数だけピアノマーカーを追加できます。
ピアノは簡単に言うと邪魔マーカー。ジップ自身は自由に飛び回れるくせに相手に対してはめっちゃ足止めを仕掛ける、憎たらしいアクションです。
破壊は可能なのでアクションで除去されますが、相手のアクションを1つ消費させるだけでも充分美味しいでしょう。
また、トリガー次第では、ピアノを落とした時に周囲2インチの敵モデルにWp(精神力)で目標14の判定を迫り、パスできなければ2ダメージ&Distracted(敵モデルを相手にしたアクションにマイナス修正がつくコンディション)+1。トリガーまで乗せれると非常にコスパのいいアクションです。

オリジナルのピアノマーカー (公式のフォーラムより)

ピアノマーカーにはブロッキング属性も付いています。
ブロッキング属性を持つテレインに上手く隠れることで、LoS(視線)をカットしたり、カバー(射撃攻撃に対して少し有利になる効果)がついたりします。相手側も落とされたピアノマーカーを逆に利用することが可能です。
……が、キャプテンジップの射撃攻撃にはご丁寧にカバー無視効果がついております。しかも2ブラスト/3ブラスト/5ブラストともれなくブラスト(爆風)付き。トリガーでさらにブラストを追加します。ピアノをめぐる攻防もとりあえずはジップ有利と言えるでしょう。

ミニオンのアイアンスキーターは、その高い移動力でスキーム要員候補です。
また、ボーナスアクションの「FREE LOOT」は3インチ以内に敵スキームマーカーがあると、その隣に移動し、スキームマーカーを除去したうえでカードを1枚引けます。結構お得なアクション。
また、同じボーナスアクションになりますが、敵モデルとエンゲージしていない時限定で、4インチの移動が可能です。この時、2インチ以内に「エンゲージしていない、且つ、自分よりサイズの小さい(Sz2以下)のモデル 」がいれば、それを引き連れての移動が可能です。上記のFREE LOOTも含めて小回りの効くボーナスアクションになっています。


トーテムのアール・バーンズは、周囲6インチ以内でピアノマーカーが除去されたとき、6インチ以内の味方モデルを1点回復させる能力をもっています。
また、アール・バーンズのメレー攻撃はちょっと特殊で、敵に対してはスタット4と低いうえにダメージも2/3/4と平凡であまり魅力がありませんが、味方のコンストラクトモデルを殴るとダメージの代わりに2点回復させることができます。そして、アイアンスキーターがコンストラクトモデルです。ちょっとクセがありますがヒーラー的な動きがとれます。
トーテムですがインタラクトアクション可能なのも嬉しいところです。


コアボックス外のINFAMOUSモデルはバリエーションに富んだモデルが揃ってますが、そのなかでこのマンチャ・ロジャは高めの攻撃力を持ち、ピアノマーカーとのシナジーも持っています。
メレー攻撃のダメージは3/4/5。攻撃の際に周囲2インチ以内のスキームマーカー以外のマーカー(ピアノマーカーも対象)を除去可能です。
マーカーを除去しているとダメージに加えてInjured(エンドフェイズまでDfとWpがマイナス1)コンディションをつけて追撃しやすくなります。
除去したのがピアノマーカーで、近くにアール・バーンズも居れば、アール・バーンズのスキルもコンボで発動、という動きが見込めます。
ほかにも、敵モデルからメレー攻撃を受けたら殴り返したり、手札を捨てることで体力が回復したり、総合的な戦闘能力の高いモデルです。
攻撃力を補強したいとき、採用を検討してみてはいかがでしょうか。

キャプテン・ジップのコアボックスは、「高い移動力と手札を補充しやすい能力」で動かしやすく、「ピアノマーカーやスキームマーカー除去効果」で相手をいなしやすい。と、ベーシックな扱いやすさが光ります。
初心者の方がこれでスタートして「もっとトリッキーな動きがしたい」や「もっと破壊力が欲しい」という気持ちが出てきたら、補充で自分色に味付けしていくのが楽しいと思います。ダブルファクションなので編み込めるモデルの選択肢も非常に多いですし。
まあ、ほんとは何も考えずモデルのルックスで選ぶのがいちばんだと思っていますが、候補のひとつに考えても損はないボックスです。



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