Malifaux3e マスター紹介/ハーメルン


かつてマリフォーの街である研究に没頭していたひとりの錬金術師がいました。彼の研究対象は死の向こうにあるもの。あるとき研究中のアクシデントでマリフォーの街に感染病を撒き散らし大惨事を引き起こしてしまいます。その事件により彼自身も肉体を失いますが、研究の成果か、瘴気のような存在へと姿を変えた彼はタイラント「プレイグ」として昇華。しかし、ティターニアのおこした乱によりプレイグはマリフォーの地下墳墓に閉じ込められてしまいます。そして長い月日が過ぎ、マリフォーの地下墳墓にひとりの男・ハーメルンが足を踏み入れました。あわれハーメルンはプレイグに体を乗っ取られ、プレイグの現し身としてマリフォーの街に破滅をもたらすべく活動をはじめたのです。

ハーメルンたちはブライト(Blight)トークンとネズミを駆使して戦う変則的な召喚マスターです。
ブライトトークンはハーメルンたちのいろいろな行動で敵モデルに蓄積されていきます。
攻撃したらダメージ&ブライトトークン、ハーメルンたちの近くで行動開始したらブライトトークン、周囲の敵モデルにWp判定を迫ってクリアできなければブライトトークン、ネズミ(Malifaux Rat)をキルしたらブライトトークン…とあの手この手で敵モデルにブライトトークンを乗せていきます。
ブライトトークン自体ではダメージは発生せず、ターンをまたいでも減ることはありません。
ちなみに、「ブライト(Blight)」ってなんとなく光ってて暖かいイメージでしたが、それは「Bright」のほうで、こちらは「荒廃」とか「だめにする」とかそんな意味だそうです。エルとアールで真逆じゃないですか。

そんなブライトトークンで何をするかというと大きく2つ。
ひとつは相手の行動の阻害。
ハーメルンのスキル「COUGHING FIT」で周囲6インチ以内の敵モデルがトリガーを宣言したとき、敵モデルに乗っているブライトトークンを1つ取り除くことでトリガーをキャンセルさせることができます。
ヘンチマンのニックスはおなじく周囲6インチ以内の敵モデルからブライトトークンを取り除くことでインタラクトアクションをキャンセルさせることができます。

もうひとつは、直接ダメージ。
ハーメルン、ニックス、エンフォーサーのオブディエント レッチの攻撃アクションで敵モデルに乗っているブライトトークンの数だけダメージを与えることが可能です。
このダメージバーンについては上限がなく、また実行後にブライトトークンが減ったりはしないため、トークンが乗るほどに恐ろしいダメージが飛ぶことになります。
その代わり、ハーメルンたちの素の攻撃ダメージは低めです。序盤から敵を切り崩すことは難しく、ブライトトークンの仕込みを意識して動くことになるでしょう。

防御面はまあまあといったところ。
ハーメルンはキルされても周囲6インチ以内にいるミニオンのストーレンを生贄にしてヘルスが5回復します。
ハーメルンとヘンチマンのニックスは「NIHILISM」のスキルを持っていて、コンディションを付けられた時に手札を1枚捨てることでそれをなかったことにできます。
ニックスは周囲3インチ以内の味方モデルがシビアダメージを受けた際にモデレートダメージに抑えてくれます。うまく活用して序盤をしのぎたいです。

ハーメルンのもうひとつの特徴がネズミ(MalifauxRat)。
まず、ネズミはコアボックス内に4体入っていますが、最大で12体まで扱うことが可能です。さらにゲーム中にネズミから派生するモデルも存在し、関連モデルを含めて最初から買い足し推奨です。そういった意味でハーメルンは初心者向きではありません。


ネズミはハーメルンのやレッチの攻撃のトリガーで場に召喚されます。
また、ミニオンのストーレンがキルされると1体、敵にキルされていたならばもう1体召喚されます。
ネズミ単体はとても弱いです。ヘルスが2のうえ、攻撃のスタット(基礎値)は3しかなく、ダメージも0/1/1しか出ません。インタラクトアクションの実行も不可です。
攻撃については群れると性能が気持ち上がります。敵モデルに攻撃をしかけるとき周囲2インチにほかのネズミがいるとそのぶんスタットが上がり、また周囲のネズミ2匹ごとにダメージが1上がります。とはいえ、やはり素のネズミには期待できません。
ハーメルンのアクションで味方Verminモデルをキルして周囲のモデルに2ダメージをとばすものがあります。ネズミはVerminなので爆殺が可能。さらにネズミの死亡時効果でカード1枚ドローがついてお得です。
頑張って何匹も群れさせてダメージを出すよりは爆散させたほうがプラスになるでしょう。
ここまでがコアボックスで可能なネズミギミックです。

ここからはコアボックスには入っていないモデルを使います。

ネズミは4体を1箇所に集めて取り除くことでラットキングに変身できます。
ラットキングはヘルス7、ネズミ単体とは違い攻撃力もスキルもある、いわば普通のモデルです。
ラットキングは5インチ以内のスキームマーカーを除去しつつ移動することが可能です。
さらに、ラットキングの周囲にネズミがいる時、ネズミを取り除くことでラットキャッチャーを呼ぶことができます。
ラットキャッチャーはネズミに関係したスキルを多く持ち、アクティベーション終了時にまわりにいるネズミのぶんだけShieldがついたり、周囲のネズミを取り除く(たぶん食べてる)ことでヘルスが回復したり、また周囲5インチ以内のネズミを全部引き寄せてラットキングへの変身のアシストが可能です。

ネズミ関係のギミックを使いたいが、ネズミの生産量が足りない、とお嘆きの場合、ベニー ウォルコムが助けになります。
ベニーはダメージを受けるとカードを1枚捨てることでネズミを呼び、周囲のスキームマーカーを除去することで除去したぶんネズミを呼びます。
また味方のVerminモデルをキルすることでその場にスキームマーカーを設置するボーナスアクションもあり、見た目はアレですがかなり優秀です。これだけ投入するのもアリだと思います。


消えないブライトトークンは恐ろしい! …のですが、素の戦闘能力が低くブライトトークン頼りでは仕込みが整う前に崩壊しかねません。やはりネズミ関連で派生するモデルも活用していきたいところ。ハーメルンを選ぶならばあらかじめ多数のモデル買い足しを推奨します。多数のネズミから変幻自在に湧いてくるモデルたちで翻弄し、気づけばブライトトークンまみれで青ざめる相手。プレイングは結構大変ですが最高のMalifaux体験があなたを待っています。大局を見据えて動かすのが好き、そしてすこーしお金を持ってる、そんなあなたにおすすめのマスターです。



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